河合譲治がナオミに英文法と和文英訳を教えるシーン

〈"doing"とか"going"とかいう現在分詞には必ずその前に「ある」という動詞、―"to be"を附けなければいけないのに、それが彼女には何度教えても理解出来ない。そして未だに"I going" "He making"というような誤りをするので、私は散々腹を立てて例の 馬鹿を連発しながら口が酸っぱくなるほど細かく説明してやった揚句、過去未来未来完了過去完了といろいろなテンスに亙って"going"の変化をやらせて見ると、呆れた事にはそれがやっぱり分かっていない。依然として、"He will going"とやったり"I had going"と書いたりする。私は覚えずかッとなって、「馬鹿!お前は何という馬鹿なんだ!"will going"だの"have going"だのってことは決して言えないッて人があれほど言ったのがまだお前には分からないか。分からなけりゃ分かるまでやって見ろ。今夜一と晩中かかっても出来るまでは許さないから」〉角川文庫改版p-70


〈2年間も英語を習い、リーダーの3が読めるのですから、せめて過去分詞の使い方や、パッシヴ・ヴォイスの組み立てや、ザブジャンクティヴ・ムードの応用法ぐらいは、実際的に心得ていいはずだのに、和文英訳をやらせて見ると、それがまるきりなっていないのです〉角川文庫改版p-64


パッシヴ・ヴォイスザブジャンクティヴ・ムードが何のことなのか分かりますか?
分からなければ「馬鹿!」とジョージに怒られますよ。貴方も。